退職の本音と建て前

(看護師が退職する理由)
看護師が退職したくなる理由を大きく分けると、個人の都合によるものと職場環境によるものの2つになります。
妊娠・出産・夫の転勤など、病院側が避けられないものが個人の都合です。
一方職場環境による退職は、勤務形態や人間関係のトラブルなど、病院側が解決できれば避けられるものです。しかし退職する看護師は本当の理由を言いませんので、病院が本当の理由を知ることはなかなかできません。看護師の立場からすれば、辞めて行くのにこれ以上言ってもしょうがないし、自分が言ったことにより病院内がゴタゴタするのは勘弁してください。という心境になるのです。
看護協会が発表した退職理由のうち、上位10位までをまとめてみました。(下図参照)
個人の都合による退職の場合は、妊娠・出産、結婚、子育てなど女性の多い職場で多く見られる理由で全体の約80%に達しているのに比べて、職場環境への不満による退職はさまざまな理由があげられています。中でも勤務に関する事項が40%、上司や同僚との関係など、人間関係が原因となっているものが10%になっています。
(退職理由の本音と建て前)
私の個人的な感想を述べると
まだまだ本音が数値になっていないな~
と思ってしまいます。
上述したように、退職する看護師はなかなか本音を言いませんが、人間関係が問題となって辞めていくケースがもっと多いはずです。
最近では、業務上のストレス+人間関係のストレスによってうつ病などの精神疾患にかかってしまうケースも増えているのです。
病気になる前に辞めてしまった方がいいや
就職口はいくらでもあるのだから
と考えている看護師も大勢います。(ある意味とても理解できますね)
(病院もジレンマに陥っている)
最近は院内に保育施設を抱える病院が増えています。病院からすると看護師採用を有利にするための福利厚生として行っているのです。にもかかわらず、結婚や妊娠を契機に退職されてしまいます。保育料も民間の保育園に比べれば安く設定していますし、設備も、待遇もそこそこ頑張っているのです。院内で運営するにしても委託にしても、病院はかなりの出費をしています。妊娠・出産・育児休業を契機に退職して欲しくない、という思いで頑張っているのです。
それだけ頑張っても、結婚や妊娠を契機に退職されてしまうのです。
なぜでしょう
全部とは言えませんが、もともと職場環境や人間関係に不満があったが、しかしこれと言っていますぐに辞める状況ではなかった看護師が、結婚や妊娠を契機に決心して辞めてしまうのです。この時ばかりは正々堂々と大手を振って退職できるからです。
病院がすべてにおいてもっと魅力的であるなら、もう少し離職率を下げられるはずなのです。しかし現状においてはどうすることも出来ないことも病院の本音なのです。