新人看護職員研修-到達目標(看護技術について)
(新人看護職員研修―到達目標について)
到達目標に関しては、「看護職員としての基本的な姿勢」、「看護の技術的な側面」、「医療安全などの管理的な側面」の3要素から構成されています。
基本的な姿勢は16項目、技術的な側面は69項目、管理的な側面は18項目となっています。中でも技術面が69項目と突出して多くなっています。やはり御術的なスキルは看護師の基本となっているからでしょう。
★ここでは、「看護の技術的な側面」の到達目標について考えます。
(看護技術についての到達目標)
なお、到達の目安としては
①知識としてわかる
②演算でできる
③指導の下でできる
④できる
の指標によりチェックしていきます。
●環境調整技術
①温度、湿度、換気、採光、臭気、騒音、病室整備の療養生活環境調整 (例:臥床患者、手術後の患者等の療養生活環境調整)
②ベッドメーキング (例:臥床患者のベッドメーキング)
●食事援助技術
①食生活支援
②食事介助 (例:臥床患者、嚥下障害のある患者の食事介助)
③経管栄養法
●排泄援助技術
①自然排尿・排便援助(尿器・便器介助、可能な限りおむつを用いない援助を含む。)
②浣腸
③膀胱内留置カテーテルの挿入と管理
④摘便
⑤導尿
●活動・休息援助技術
①歩行介助・移動の介助・移送
②体位変換(例:①及び②について、手術後、麻痺等で活動に制限のある患者等への実施)
③関節可動域訓練・廃用性症候群予防
④入眠・睡眠への援助
⑤体動、移動に注意が必要な患者への援助 (例:不穏、不動、情緒不安定、意識レベル低下、鎮静中、乳幼児、高齢者等への援助)
●清潔・衣生活援助技術
①清拭
②洗髪
③口腔ケア
④入浴介助
⑤部分浴・陰部ケア・おむつ交換
⑥寝衣交換等の衣生活支援、整容
●呼吸・循環を整える技術
①酸素吸入療法
②吸引(気管内、口腔内、鼻腔内)
③ネブライザーの実施
④体温調整
⑤体位ドレナージ
⑥人工呼吸器の管理
●創傷管理技術
①創傷処置
②褥瘡の予防
③包帯法
●与薬の技術
①経口薬の与薬、外用薬の与薬、直腸内与薬
②皮下注射、筋肉内注射、皮内注射
③静脈内注射、点滴静脈内注射
④中心静脈内注射の準備・介助・管理
⑤輸液ポンプの準備と管理
⑥輸血の準備、輸血中と輸血後の観察
⑦抗生物質の用法と副作用の観察
⑧インシュリン製剤の種類・用法・副作用の観察
⑨麻薬の主作用・副作用の観察
⑩薬剤等の管理(毒薬・劇薬・麻薬、血液製剤を含む)
●救命救急処置技術
①意識レベルの把握
②気道確保
③人工呼吸
④閉鎖式心臓マッサージ
⑤気管挿管の準備と介助
⑥止血
⑦チームメンバーへの応援要請
●症状・生体機能管理技術
①バイタルサイン(呼吸・脈拍・体温・血圧)の観察と解釈
②身体計測
③静脈血採血と検体の取扱い
④動脈血採血の準備と検体の取り扱い
⑤採尿・尿検査の方法と検体の取り扱い
⑥血糖値測定と検体の取扱い
⑦心電図モニター・12誘導心電図の装着、管理
⑧パルスオキシメーターによる測定
●苦痛の緩和・安楽確保の技術
①安楽な体位の保持
②罨法等身体安楽促進ケア
③リラクゼーション
④精神的安寧を保つための看護ケア
●感染予防技術
①スタンダードプリコーション(標準予防策)の実施
②必要な防護用具(手袋、ゴーグル、ガウン等)の選択
③無菌操作の実施
④医療廃棄物規定に沿った適切な取扱い
⑤針刺し事故防止対策の実施と針刺し事故後の対応
⑥洗浄・消毒・滅菌の適切な選択
●安全確保の技術
①誤薬防止の手順に沿った与薬
②患者誤認防止策の実施
③転倒転落防止策の実施
④薬剤・放射線暴露防止策の実施
(新人看護職員研修に関連する書籍)
★ガイドラインを活用した研修の実際について書かれています。
⇒ 新人看護職員研修の手引き―ガイドラインを活用した研修の実際
★研修の実践例と研修のポイントをナビゲートしています。
⇒ 新人看護職員研修ナビゲート―問題状況30場面を解決する実践例と研修のポイント
★新人看護師を指導する看護師さんにも役立ちます。