地域包括ケア病棟入院料(その後の動向)

●地域包括ケア病棟入院料のその後の動向

(基本点数等)
地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)1   2,558点(60日まで)
地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)2  2,058点(60日まで)
看護職員配置加算             150点
看護補助者配置加算             150点
救急・在宅等支援病床初期加算    150点(14日まで)

[施設基準等]
① 疾患別リハビリテーション又はがん患者リハビリテーションを届け出ていること
② 入院医療管理料は病室単位の評価とし、届出は許可病床200床未満の医療機関で1病棟に限る
③ 療養病床については、1病棟に限り届出することができる
④ 許可病床200床未満の医療機関にあっては、入院基本料の届出がなく、地域包括ケア病棟入院料のみの届出であっても
差し支えない
⑤ 看護配置13対1以上、専従の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士1人以上、専任の在宅復帰支援担当者1人以上
⑥ 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目1点以上の患者が10%以上
⑦ 以下のいずれかを満たすこと ア)在宅療養支援病院、イ)在宅療養後方支援病院(新設)として年3件以上の受入実績、ウ)二次救急医療施設、エ)救急告示病院
⑧ データ提出加算の届出を行っていること
⑨ リハビリテーションを提出する患者について、1日平均2単位以上を提供していること
⑩ 平成26年3月31日に10対1、13対1、15対1入院基本料を届け出ている病院は地域包括ケア病棟入院料を届け出ている期間中、7対1入院基本料を届け出ることはできない
⑪ 在宅復帰率7割以上(地域包括ケア病棟入院料<入院医療管理料>1のみ)
⑫ 1人あたりの居室面積が6.4㎡以上ある(地域包括ケア病棟入院料<入院医療管理料>1のみ)
・看護職員配置加算:看護職員が最小必要人数に加えて50対1以上
・看護補助者配置加算:看護補助者が25対1以上(原則「みなし補助者」を認めないが、平成27年3月31日までは必要数の5割まで認められる)
・救急・在宅等支援病床初期加算:他の急性期病棟(自院・他院を問わず)、介護施設、自宅等から入院または転棟してきた患者について算定

笑顔の看護士(地域包括病棟の議論 )

4月1日に新設された地域包括ケア病棟ですが、多くの病院が模索しつつも、ハードルが高くなかなか転換できない状況が続いています。

厚労省は当初、①急性期病床からの患者の受け入れ、②在宅等にいる患者の緊急時の受け入れ、③在宅への復帰支援、の3つの機能を掲げていましたが、実質的には7対1入院基本料の受け皿となる施設基準を作ったまでで、しかも7対1から転換した場合には減収となってしまいます。

私は20病院ほどの事務長さんに聞いたり、逆に相談を受けたりしましたが、どの病院も苦しんでいる状況です。

(転換がなかなか進まない理由)
①7対1から転換しても減収になる(でも7対1は維持できないのです。10対1に落とすよりは収益的には魅力がある。)
②在宅復帰支援者(社会福祉士や看護師)の設置が必要。(人件費が増加)
③理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の専従者が必要(人件費が増加。リハに力を入れていなかった病院はセラピスト確保が困難。)
④データ提出加算が必須

一番やっかいな問題は④データ提出加算で、数床の転換なら手作業も可能かもしれませんが、基本的にはシステムを導入して診療情報管理士なみの職員を貼りつかせなければ無理でしょう。DPCデータのシステムは現在のところはオプションで数百万はしますので、莫大な経費がかかります。

⇒ システム会社に聞いたところ、3月~5月にかけてデータ提出用システムの見積もり依頼が多くの病院からきて、仕事がパンクしたそうです。しかし、実際に発注されたのはほんの一部とのことでした。(どの病院の事務長さんも、50万円くらいで導入できるシステムだと安易に考えていたようで、数百万と聞いてビックリしたようです)

もともとデータ提出をしていた病院なら転換する価値があるかもしれませんが、新たにすべてを整備してまで取得する価値があるのか、というのが本音のようです。

もう一つ重要なことは、在宅復帰率などの要件が厳しく、一般病棟のみの病院が転換しても厳しいのです。ケアミックスの病院であっても、地域の大学病院や施設との連携がカギを握ります。在宅復帰率を満たしながらも病床稼働を維持していくことは至難のワザかもしれません。

まだまだ先が見えませんが、現在のところは地域包括ケア病棟への転換はなかなか進まず、7対1を降りる多くの病院が10対1に転換しているのが実情です。

逆に医療療養病棟から転換した場合は、かなりの増収になります。当院もケアミックスの病院で一般、医療療養、回復期リハ病棟を有していますが、医療療養病棟の1病棟を地域包括に転換できないか模索しています。人件費をかけても増収になることが分かっているのですが、リハスタッフや看護師の増員が必要なことや、データ提出の準備などのためかなりの時間が必要となりそうです。

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