2014年(平成26年)診療報酬改定情報①(厚労省の考え方)

●平成26年度(2014年)診療報酬改定情報①(厚労省の考え) 

平成26年度の診療報酬改定の内容がほぼ見えてきました。今回の改定に関する厚労省保険局の方の意見を聞く機会がありました。詳細部分はまだ決定されていない部分もありますが、私の感じたことをまとめてみます。

全体的な感想としては、7対1入院基本料を算定している病院を完全にターゲットにして、ふるい落とす意気込みが伝わってきました。10対1も巻き込まれる見込みで、かなり厳しい感じです。「今回は徹底的にやるぞ」という強い姿勢です。)

 (現在の施設基準の取得状況)
現在の届け出入院基本料の区分は、一般病棟の7:1が32万床、10:1が24万床、13:1が3万床、15:1が6万床です。療養病床は21万床となっています。精神科や回復期リハビリ病棟などの特別な施設基準を除いた86万床のうち、実に65.1%(56万床)が7対1と10対1の入院基本料を算定しています。
現在の病床区分

本来であれば手厚い看護を必要とする患者を受け入れるために設定した7対1や10対1入院基本料が、全体の65%以上になっています。入院する患者の65%が手厚い看護を必要としていることはあり得ませんので、手厚い看護を必要な患者以外が多く入院していることになります。この部分を厚労省は問題視しているのです。(施設基準が高いほどお金がかかるので、社会保障費の支出を減らすことを考えた場合は病院の施設基準を引き下げるのが効果的です)

どうしてこんなことになってしまったかと言うと、もともと施設基準は「患者に対する看護師の数」で決められていますので、看護師さえ確保できれば7対1や10対1の基準を取得できてしまったところに問題があったのです。

厚労省はその後の改正で、看護師の数だけではなく重症患者の受け入れ比率などを算定要件に加えました。手厚い看護を必要とする患者をきちんと受けているのかどうかを数値で判断することにしたのです。(看護必要度)

看護必要度に関してはほとんどの病院が施設基準を引き下げることなく導入し、重症患者の受け入れ比率をクリアーしました。(一度取得した基準を引き下げたら病院としては大幅減収になりますから、そりゃ頑張りますよね)

しかし

今回の改定はもっと踏み込んだ部分に手を付けています。チョットした努力ではクリアーできないような改定内容です。今まで同様の病院運営をしていたのでは、たとえ大病院であっても7対1基本料を維持できないような内容です。7対1を取得している中小病院は死活問題へと発展することでしょう。
厚生労働省が問題視している課題

 (現在厚労省が考えている改正ポイント)
厚労省が考えている問題を解決するため、以下のように改定されます。(詳細部分の調整はあっても、ほぼ決定です。)

①   平均在院日数のさらなる削減18日→17日か16日、もっとか?(7対1入院基本料算定病院)
②   特定除外患者を平均在院日数のカウントから除外できなくする(入院して90日を超えた患者の病態によるカウント除外が認められなくなります。⇒多くの中小病院にとってはこれが大問題。7対1及び10対1入院基本料算定病院)
③   短期入院の患者を平均在院日数のカウントから除外する(白内障、ポリペク、PSGなど、1泊~3泊程度の短期手術や検査がターゲットにされています。まだ詳細部分は検討中。⇒大病院にとってはこれが問題。)
現在の病床区分(22年)

①   にて平均在院日数の要件を短縮し、②、③にてさらに平均在院日数が長くなります。例えば平均在院日数の要件が18日→17日になったとするとクリアーしなければならない基準が厳しくなります。②は平均在院日数を計算するための分母が増えてしまいますので在院日数が大きくなります。③は平均在院日数の分子を小さくしますので結果として在院日数が大きくなります。

将来的には一般病院・亜急性期病棟の施設基準の要件として、2次救急指定を取得していること、手術を行っている病院であること、などの要件も打ち出されていますので、看護師の人数のみ整えて7対1や10対1基本料を取得していた病院にとっては致命的になります。まあ、厚労省としては、7対1などの急性期の病院が救急患者を受け入れていないのも、オペを実施していないのもありえないでしょ、と言っていました。

オペに関しては全麻で年間何例以上なんて縛りができるのでしょうか?(まだ未定)

厚労省としては、「きちんとした急性期医療を行っている7対1の病院であれば、上記①~③の改定をしたって何の問題もなく基準を維持できるはず」と言っていました。まあ、そりゃそうかもしれませんが、実際には中小民間病院が多いわけですから、さぞかし大混乱することは間違いないです。26年1月に入り、中小病院のみならず大病院までもが「7対1を維持できない」って言って大騒ぎしています。

私の感想としては、厚労省はこの改定によって中小病院から10万床、DPC病院の中で平均在院日数が厳しくなる病院から10万床、合計20万床くらいを7対1から降ろしたいんだな~と(ひしひしと)感じました。大手病院はいろいろと手を尽くして頑張れるとしても、中小病院は確実にアウトになる病院が多発すること間違いなしです。

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